飛ぶ鹿

内側に目を向けて育てることで外側の行動も変わります。小さな一歩を積みかさねて。

ひとり旅 高野山で初めての宿坊② 嶽弁天さんと坂の町

高野山の旅

続きです。

 

cocokara2018.hatenablog.com

 

さてさて

お世話になる恵光院さんに

早めの荷預けをして

すっかり身軽になったところで

再び「かる萱堂前」バス停から

路線バスに乗り「女人堂」バス停へ。

 

www.rinkan.co.jp

 

ところで

高野山はいわゆる「山上盆地」にできた

地域全体を指す名称。

 

www.koya.org

 

東西4キロほどの町に

100を超える寺院があり

その間に所狭しと

土産物屋さんや飲食店

仏具屋さんなどが軒を連ねる

なかなか賑やかな町並みです。

 

町の東には

空海さんこと弘法大師が

今も瞑想中とされる

御廟があります「奥の院」

西には

金堂や根本大塔など

重要施設の塊「壇上伽藍」があります。

 

高野山に来たのなら

なにはなくとも

この2つはぜひ行きたいところ!

 

ちなみに

東西4キロなら

「全部歩きでいいじゃん」

という気持ちにもなろうかと

思うのです。

 

若い方や

健脚な方にとっては

それも素敵な方法です。

 

特にバスに乗りますと

あっという間に

東西を行き来しますから

日頃あまり運動されない方でも

そう思っちゃうかもしれません。

 

ところがですね!

 

ここにちょっとした

注意点が。

 

町全体を通してですが

「西から東へ」いくほど

全体に「ゆるやかな下り坂」。

 

メイン通りにある

「小田原通」バス停を超えたあたりから

坂だなぁとわかるようになり

「かる萱堂前」バス停を過ぎて

次のバス停「一の橋口」バス停までで

一気にぐっと下ります。

 

ということで

奥の院から西にむかって歩くと

「小田原通」バス停くらいまで

ずっとひたすら上りとなり

わたしとしては

ちょっと息が・・・!

 

そのような理由で

荷物があろうとなかろうと

終日過ごすのであれば

体力配分も込みで

バスに乗れるならバスを

そうでないなら

せめてレンタルサイクルの

電動自転車を!

 

ご一考いただけますと

幸いです。

 

しかし

この場ではそのレンタルも

一旦スルー。

 

というのも

かねてより気になっていた

「嶽弁天さん」にお参りを!

と思い早朝出発したので

バスのまま一路「女人堂」を

目指します。

 

嶽弁天さんは

正式名称「嶽弁財天社」。

 

町の西側

町並みから離れた

山の頂上にそのお社はあります。

 

登山口は

いわゆる「大門」といわれる

町の入り口脇。

 

(大門を外側へ出て

 そのすぐ脇に登山口が

 あるそうです)

 

www.wakayama-kanko.or.jp

 

本来はそちらから回って

参拝したかったのですが

ネット検索した際に

「”女人堂”からでも登れる」

という記事を見つけました。

 

どうやらこちらは

いわゆる「裏参道」とのこと。

 

表参道は「大門」ルート。

 

ここで頭に浮かぶのは

「交通の便」です。

 

「女人堂」バス停は

山内を通るバスの全てが

通るバス停ですから

便数が非常に多い。

 

かたや「大門」は

町の西端にあり

便数はその半数以下。

 

行きにしろ

帰りにしろ

便数は多い方がいい。

 

そう思い

「女人堂」ルートで

上ることにしました。

 

最初の階段を過ぎて

すぐにすごい山道です。

 

歩きながら

「本当にここは通っていいのか」と

何度も思うくらい険しいです。

 

当初すべての荷物を持ったまま

登ろうと思っていたので

先に預けてきたのは

本当に正解でした。

 

やぶに囲まれ

眺望はなく

足元はぬかるみ

そこに木の根が巻き付いて

自然の階段を形成していたり。

 

一段一段の段差は

上ろうとしてコケるような

高い所も!

 

ひえー!

 

道は一本道ですが

ところどころにあらわれる

案内表示だけを頼りに

それを見つけては

ホッとするの繰り返し。

 

それでもなんとか頂上へ!

 

結局ここに至るまで

参道には一つも

鳥居はありませんでした。

 

反対側に続く参道には

しっかり赤い鳥居が見えます。

 

やはり裏参道なんだなぁ。

 

お社では

お天気にもめぐまれ

のんびりするつもりでしたが

季節外れに暑い日だったせいか

それとも

裏参道から上ったことで

鳥居の一つもくぐれなかったためか

なんだかソワソワと

落ち着かない気持ちで

あえなくすぐに下山。

 

所要時間は

上りも下りも

片道約20分弱。

 

時間だけ見ると

気軽そうですが

山登りには違いなく

ぬかるみや段差

藪も続きますし

下山途中に

ちいさなヘビさんも

見かけました。

 

もし上る方は

表参道からでも

長袖長ズボンに

しっかりした足元と水分持参で

虫よけスプレーなどして

余裕を持った計画を

おススメします。

 

わたしも

次こそは表参道の

「大門」ルートで行こう!

 

こうして短時間で

汗ダク クタクタになりながらも

なんとか当初の目標を

一つ果たすことができ

まずは満足。

 

ホッとしながら

「女人堂」でお参りしますと

親切な係の方が

お声かけしてくださり

さらに人心地です。

 

すぐにバスも到着し

次なる目的地へ。

 

高野山の町並みは

木の一本一本が

精気に溢れ

秋と夏が混じり合うような空気の中

その緑はまだ十分にまぶしく

まさに目の保養になります。

 

あっと言う間に

「千住院橋東」にたどり着き

バスを降りて

「高野山宿坊協会」へ。

 

ここで念願の

レンタサイクル受付です♪

 

www.shukubo.net

 

最初の1時間は

400円。

 

その後30分毎に

100円。

 

最初に保証金?として

1,000円払うことになります。

 

返却時の清算で

4時間未満なら

未使用分を返金され

4時間以上なら

超過分を30分刻みで追加支払い。

(2022年現在)

 

レンタサイクルは

事前予約も可能、とのこと。

 

身分証を提示し

申込書に記入すれば

受付完了です。

 

いよいよ電動自転車にまたがり

グイっと踏むと

フワンと何とも言えない

頼もしさでアシストしてくれるのが

とにかく楽しい♪

 

このまま観光

と行きたいところですが

一旦「恵光院」さんに戻り

ランチをいただくことに。

 

恵光院さんでは

完全予約制で

精進料理のランチもいただけます。

 

www.ekoin.jp

 

時間まではしばらく

間があったので

自転車の気ままさで

道々土産物屋を冷やかしつつ

欲しかった金剛鈴の値段に

愕然としたり

宝来(ほうらい)の図柄に

ときめいたり。

 

www.koyasandaisido.jp

 

そろそろ恵光院さんに着くなぁと

思ったころ発見したのが

「清高稲荷大明神」です。

ameblo.jp

 

最初に来たときは

全く気がつきませんでした。

 

こちらの記事を読んで以来

ぜひ一度応援のお参りを!

と思っていたお稲荷さんんです。

 

ついに実現!

 

お社へ続く階段は

比較的緩やかで

お昼前の晴天もあってか

参道は鳥居の朱色と相まって

明るい感じがしました。

 

お稲荷さんへのお参りは

そのお社にいるご祭神によるそうですが

こちらのお社の神様は

応援のお参りなら一回っきりでも

構わないそうです。

 

杉木立に囲まれたお社は

本当に明るく開けていて

うまくいえませんが

喜びや誇らしさのような

胸を張る感じの

温かい空間でした。

 

わたしの場合

近所とは言い難いので

お願いごとはせず

自己紹介と

応援の気持ちだけで

参拝を終えました。

 

境内には

木の切り株でできた椅子と共に

喫煙スペースがあり

そこにはペンキの文字で

素敵なメッセージがあって

それにもホッコリしました。

 

近くだったら

通いたいなぁと思う

お社です。

 

お参りできて

本当によかった♪

 

階段を下りて

再び自転車にまたがると

すぐに恵光院さんに到着。

 

少し早いですが

チェックインも済ませ

今夜お世話になるお部屋で

のんびりランチです。

 

精進料理は野菜と大豆

そこに小麦粉を上手に使って

作られていますが

きのこたっぷりのお鍋や

野菜の天ぷら

前菜のごまどうふやお浸しなど

竹クラスでも食べ応え満点♪

 

梨と今年最初の柿も食べれて

大満足のお昼です。

 

個室でいただいたので

本当にのんびりとしたランチタイム。

 

これが自宅なら

このままお昼寝

というのもアリですが

せっかくの旅先。

 

元気よく表に出て

再び自転車にまたがり

高野山の町中へ出発!

 

翌朝6時の

「奥の院」の勤行に

参加したかったので

まずは距離の確認をと

お寺からすぐらしい

「奥の院」へ向かいますと

本当にものの数分で

奥の院「一の橋口」バス停に到着。

 

xn----kx8an0zkmduym9n8d1hn.jinja-tera-gosyuin-meguri.com

 

近っ!

 

お寺からは下り坂なので

なおさらあっという間です。

 

歩いたとしても

下り道ですから

5分とかかりません。

 

恵光院さんに予約したとき

こんなに「奥の院」が近いと知らず

当日になってわかったので

これは本当にうれしい驚き!

 

いや~、これはついてたなぁ。

 

朝は夜明け前に

向かうつもりでしたから

道のりについてドキドキしてたんですね。

 

これなら一安心♪

 

ホクホク顔で

来た道をUターン。

 

急な登り坂も

電動自転車で

ラクラクスイスイ♪

 

楽しい!

 

うれしい!

 

しあわせ~!

 

満腹で

鼻歌交じりのまま

次に目指すは「壇上伽藍」です。

 

当然道々には

数々のお寺があるのですが

わたしは高野山に来ると

「壇上伽藍」と「奥の院」ばかり

入り浸ってしまいます。

 

特に「壇上伽藍」は

わたしの感覚では

高野山内の「天(陽)の気」が

凝縮された場所で

伽藍の南にある「中門」をくぐると

そこからすでに

軽やかな空気が♪

 

この空気を味わいたくて

毎回長時間ここで過ごします。

 

ちなみに

奥の院は森の力もあってか

高野山内の「地(陰)の気」が

凝縮された場所と感じますから

(暗い、重い、とは別物です)

どちらかだけよりも

両方でのんびり過ごすと

バランスがとりやすいですし

わたしの場合

「奥の院」の後に

「壇上伽藍」に来ると

気持ちよく帰れますので

よければご参考までに。

 

さて そうこうするうちに

通り沿いをまっすぐ進みますと

「千住院橋」の交差点を過ぎ

しばらく行った先に

右手に「金剛峯寺」の長い階段

左手に広い駐車場が現れます。

 

このあたりから

再び傾斜がはっきりし

ちょっと登り坂になるのですが

道を駐車場沿いに

左に曲がりメイン通り沿いに進むと

右手に「大師協会」

左手に「観光協会」。

 

そのまましばらく

道なりに進めば

右手に「壇上伽藍」の

立派な赤い「中門」の登場です!

 

www.koyasan.or.jp

 

キャー♪

ついに来たわっ!

 

自転車を脇に寄せて

いそいそと中へ向かいます。

 

中門には立派な仏像が

四体据え付けられていて

多門天さんや

増長天さんといった

大迫力の天部の仏さま。

 

門をくぐると

正面に「金堂」

その右手奥に

わたしの大好きな「根本大塔」

左手に

赤い鳥居が目印の「御社」と

グルグル回せる「六角経蔵」が見えます。

 

来たんだなぁ。

 

ここに立つと

改めて高野山にきたことに

ジーンとしました。

 

ところで

以前までですと

「壇上伽藍」では「根本大塔」

「奥の院」では「燈明堂」の

出入り口脇には

「塗香(ずこう)」が置かれていました。

 

www.koyasandaisido.jp

 

塗香は身を清めるものとして

真言宗で用いられるもので

入場の際にはそれを手にすりこみ

身を清めるようになっていたのですが

昨今の流れでしょうか

今回は一つも見ることなく

ちょっと残念です。

 

塗香の香りは

「スパイシーなお線香」という感じで

わたしは好きなんですよ。

 

高野山に限らず

真言宗のお寺で

縁日法要に参加しますと

堂内で勧められることがありますので

皆さんも参拝の折などに

どこかで出会うかもしれませんね。