飛ぶ鹿

内側に目を向けて育てることで外側の行動も変わります。小さな一歩を積みかさねて。

琴音と風の子

琴音が四つになった春のこと。 父親の口笛を真似して一人 春の野原にぺたんと座り フュー フュー と 鳴らないのも気にせず くちびるをとがらせて 吹いていた。 すると どこからか クスクスと笑い声がした。 見回してみるが 誰もいない。 周りにはただ広い野…

仮) ばあちゃんのアパート暮らし5

サツキが畑に出るようになって 三カ月。 その間に緊急事態宣言は 解かれたわけだが 実際のところ 何一つ進んでいる気がしなかった。 施設の祖母には全く会えず 苦肉の策のオンライン通話も 今の状態の祖母とでは どうにも上手くいかない。 祖母の認知症は あ…

仮) ばあちゃんのアパート暮らし4

「そんじゃあヒマっちゅうことで ここに来たんだな?」 「はい」 「そんなら着替えて 出直しだな」 「着替え?」 「そんなオシャレな恰好で 何する気だ?」 サツキはそう言われて 自分の服装を見下ろした。 赤いボーダーシャツに デニムのレギンス 白いスニ…

おススメの曲 「BRIGHT FUTURE ~天上からの癒し2~」

9月に入りましたね。 みなさん お元気でお過ごしでしょうか? わたしはと言いますと 自分の夢見てきた姿で 生きたいと思い 9月に入ってからは 恥をかき捨てて オリジナルの物語を書いて 公開に挑戦中です♪ 公開することで 緊張感と共に原動力になりますし …

仮) ばあちゃんのアパート暮らし3

畑に向かうと 緑の葉の中を何かが ヒョコヒョコと動いている。 (何あれ) サツキがいぶかしみつつ それでも近寄ると同時に それがタダシの帽子だとわかった。 「なんだ」 思った以上に大声が出ると タダシは顔を上げた。 「お~こりゃ珍しいな」 タダシはほ…

仮) ばあちゃんのアパート暮らし2

畑へと続く細い道を 小さな背中が行く。 (めずらしい) モモコはコーヒーを飲みながら その姿を見送った。 サツキがアパートに来て 半年が経とうとしている。 その間慣れない生活に 手が回らぬだろうと セツコの畑も みんなで手分けして耕してきた。 サツキ…

仮) ばあちゃんのアパート暮らし1

「友達同士でさ いいじゃない、そういうの」 そう熱く語っていたのは 人気タレントのMで 「老後の暮らし方」だった。 彼女いわく 「友人だけのアパートで みんなとワイワイ暮らす老後がいい」 同じような話を 言っていたのは 行きつけの飲み屋のママだったと…