飛ぶ鹿

内側に目を向けて育てることで外側の行動も変わります。小さな一歩を積みかさねて。

見る度に発見がある ジブリの「魔女の宅急便」

みなさん

いかがお過ごしですか?

 

ふたたび

列島全体が冬らしい気温になっていますね

 

布団やコタツ

部屋から出るのに

毎回勢いやら 勇気やら

家庭では普段あまり見受けないものを

総動員しがちな時期

 

毎朝出かけに家族が

何とも言えない声を出して

玄関へと向かうので

つい無事を祈らずにいられません 笑

 

みなさんも

マフラーや暖房器具などで

ぜひ上手に体を温めてくださいね

 

さて

映画や本を見直してみると

新たな発見があるからいいよ

という定説を聞いたことのある方は

多いのではないでしょうか?

 

そういうことは

ちょっと難しい感じの

「あんまり理解できなかったなぁ~」

と思う作品に限られることだと

わたしはどこかで思い込んでいました

 

その思い込みを

見事にくつがえされたので

みなさんにお伝えしたいと思います

 

魔女の宅急便

原作:角野栄子 著

 

わたしはジブリ映画として

何度も見ましたし

原作も読みました

 

特に映画は

他の映画はそこまで詳しくないのに

宮崎さんの作品だけは

なぜかセリフまでスラスラ言えてしまう

 

我ながら不思議でたまりません 笑

 

 

そうやって

長い年月繰り返し見てきたはずのストーリーに

知っているはずの絵に

改めて教わることが多々あるんですね

 

というのも

2020年からの変化の中で

 

人生全般に対して

根本的な方向転換をすべく

試行錯誤の真っ最中の状況が

 

ちょうど題材と重なって見えた

というのが一番大きな要因でした

 

しっかりした大人から見れば

ティーンエイジャーと中年を

オーバーラップさせること自体に

ご意見ある方もいらっしゃるでしょう

 

それでも

イザとなれば

なんであれ必要なものは

ガリガリと咀嚼して

グングン吸収するのも

人間のたくましさです

 

今回そうした思いで見た結果

ほんのちょっとした場面と思っていたところが

実はとても重要なシーンだったと

いまさらながらに気づいたんです

 

(※この先は

お恥ずかしいのですが

あえて詳細を記しますので

お見苦しい点はご容赦ください)

 

たとえば

トンボと仲良く海まで飛行船を見に行ったシーン

 

トンボと一緒に

完成したばかりの

空飛ぶ?自転車に乗ったキキは

海をみながら

スッカリご機嫌になります

 

さっぱりした気分で

ありがとう!と笑顔に戻ったキキですが

トンボの友達が車で現れた途端に

突然不機嫌になって

一人でさっさと帰っていってしまうんですね

 

このシーンのキキの心境を

わたしは先日まで

まるで理解してなかったと

ハタと気づきました

 

映画では

登場人物の心理描写は

行動だけで

セリフはありません

 

そのため

今までのわたしは

このシーンがなんだったのか

判然としないまま

気にも止めていませんでした

 

それが

今回は逐一キキの気持ちが

妙に胸に迫ります

 

(※この先は個人の解釈になります

下の※の後に記事に戻ります)

 

このシーンですと

車でトンボを誘った友達の中に

先日の雨の日

お客さんとして出会った

裕福な家庭の女の子が乗ってました

 

その女の子に気づいたことで

キキはその子が自分にした不快な対応を思い出し

せっかく信頼しかけたトンボまで

実はその子の味方・同じような人と

いつの間にか無関係なはずのトンボに

女の子への不快感を投影してしまったのでは?と思いました

 

知り合いしかいない町で

気を張り続けて

慣れない無理をしてきた

十三歳の女の子

 

久しぶりに仕事から離れて

打ち解けて話せたと感じた同世代のトンボに

急に裏切られたように感じてしまったのかなと

 

心細かったり

幼かったりすると

こうした独占欲みたいなものが

急に顔を出すことってありますよね

 

そして

独占欲のために

事実を曲げて解釈してしまったり

その曲がった解釈から

うっかり自分と他人を比べて

ついには自己否定に陥ったり

 

このシーンによって

キキはいよいよ自分からスランプに入っていってしまいます

 

(※ ここまで)

 

お見苦しいかもと思いましたが

この発見が

いまのわたしには

大きなヒントになったので

あえてそのまま書き記しました

 

 

 

辛い時間が続くと

誰かにどうにかしてほしくなる経験が

ありませんか?

 

誰かに

教えてもらいたくなる

 

誰かに

決めてもらいたくなる

 

けれども

本当に大切なことは

自分で感じることや

自分で見つけることで

やっとたどり着けるようです

 

できると、自分の力を信じること

 

やると決めて、始めること

 

 

辛い時は

それがウヤムヤになっている時かもしれません

 

だからそんなときは

本当の自分の周りを覆ってしまった

自己否定や

思い込みという

不要なものを取り除くことから始める

 

上手くいかない時は

新たに追加する前に

今の自分に引っついている

不要なものを取り除くほうが

ずっと早く

ずっと確実に

元気になれる

 

そんなことを

教えてもらえた気がしました

 

 

ほんの二時間の

きれいな絵の中に

たくさん大切なことが

詰め込まれていたのに

今まで一体何を見ていたんでしょうね 笑

 

以前見た

宮崎駿さんの密着ドキュメンタリーで

とても印象的だったのは

大切なことはめんどくさい

というフレーズでした

 

「めんどくさい」が

口癖の宮崎さんは

怒りながら

ぶつぶつ言いながら

ひたすら手を動かしていました

 

「もう女の子が旅立って

どうこうという時代じゃないんですよ」

と宮崎さんは何度も言われています

 

「そんな甘い時代じゃないんです」

 

そうかもしれません

 

そうかもしれないと思いつつも

誰の中にも

継続的に子どもの自分がいる

わたしは思っています

 

だから

大人のふりばかりして生きると

つまずくとも思っています

 

宮崎さんの人気作には

宮崎さんと仲間の中に詰っている

知識とか

思いとか

マニアック性とか

大人だけが持つ厚みみたいなものが溢れていて

見る度刺激を受けます

 

何でもないシーンの

ほんのちょっとした装飾に

時代の背景や

そこで生きる人たちがするであろう

ささいな日常の積み重ねが

これでもかと書き込まれている

 

その緻密さは

めんどくさいことを端折らないで

めんどくさいとボヤきながらも積み重ねた

大人にしかできない仕事だと思いますし

それと同時に

描かれた世界そのものが

時を超えて

見る度に

見る人の中の子どもに注がれる愛情や希望だとも思いました

 

 

 

それがシンクロするからこそ

何度も何度も見たくなる

 

大人というと

そういう人を思い浮かべます

 

いまを生きる子どもたちに

先に生まれた者として

キラっと輝くものを贈りたい

 

何か一つでいいから

希望になるものを残したい

 

今の方向転換が

そういう道へと続くように

 

それでは

ここまで読んで下さったあなたに

 

ありがとう!