父が亡くなりました。
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父の場合
亡くなる日の二か月ほど前に脳梗塞を発症
緊急手術 入院となりました。
ご存知の方も多いかもしれませんが
手術をして
おおむね長くて一月ほどで退院することになります。
その後どうするのか?
我が家は「転院」を選びました。
「延命措置はしない」としながらも
床ずれ予防などをするには
なにも設備がなく
自宅でのケアは難しいと判断したためです。
転院にあたっては
リハビリ中心か 療養中心にするのかを
まずは判断し
その後 患者サイドから希望の地域を伝えると
いくつか候補が挙げられ
その中から選びました。
父の場合
療養病棟を選択し
約一カ月ほどお世話になりました。
転院にあたっても
「延命措置はしない」とお伝えし
そのように対応いただきました。
転院前はついていた心電図の機械は
転院先ではついていませんでした。
これもまた
「延命措置をしない」ための環境でした。
最期に会ったとき
父は状況に倦んでいるように感じました。
いつまでこの状態が続くのだろう
という感じに。
動く左手を
何度も伸ばしたり
曲げたりしながら。
手の平を開いたり
閉じたりしながら。
食べることも
飲むことも
会話することさえもできない父に
わたしは何もできなくて
それでも何かしないではいられなかったから
せめてと
アロマのオイルを持っていきました。
ハッカと
ユーカリ
それに買ったばかりのネロリ。
ネロリが「みかんの花」と知ったとき
へぇ と思いました。
父は庭にあれこれと木を植えるのが好きで
みかんの木もあります。
庭仕事の好きな父に
少しでも自然の香りを感じてもらいたかった。
できることなら最期まで
自宅で好きなことをさせてあげたかったけれど。
きっと父は
この香りを覚えているだろうと思いました。
夏の始まりに咲く花の匂いが
少しでも父の慰めになればいい。
それを父が喜んでいたのかどうか
さっぱりわかりません。
死を前にした人に何ができるのか。
仲がよかったわけでも
話好きでもないわたしは
もの言わぬ父に対して
毎回どうしていいのか
結局 最後までわかりませんでした。
父の世界が変わり
最初の山場は手術
次の山場は転院。
それを終えて
わたしが始めたことは
死に関わる手続きのあれこれを調べる
ということでした。
最初はやはりネット検索でしたが
やってみると
本がわかりやすかったなと
今は思います。
近隣の図書館にいけば
関連書籍がたくさん並んでいましたので
片っ端から読み漁りました。
初めてのことを知るには
関連書籍を5冊以上は読みます。
そうすると概要がわかりますし
この本には載っていたいたけど
こっちの本には無いな
という記事も見つかります。
仕事の傍ら
そうした本を読む中で
これも助かった!というのが
アマゾンの「キンドルの読み放題」でした。
月額1000円未満の会費で
あらゆるジャンルの本が読めます。
死後の手続きについても
たくさんありました。
こちらでも読み漁りました。
読んで思ったのは
「まずは葬儀会社を決めなくては」
ということでした。
葬儀会社なんて
テレビのCMでみるだけで
どこにどういう会社があるのか
さっぱりわかりません。
相場もそうですし
内容もそうです。
何もわからなかったわたしが
どうしたか というと
ネット検索で
自宅付近の葬儀会社
特に「家族葬」の会社を探しました。
生きている内にこんなことをするのは
なんとも言えない気まずさというか
とにかく後ろめたい感じがしたものです。
それでも
実際その時になったら
とても時間はかけていられない。
それだけはハッキリしていましたから
だったら
少しでも気持ちにゆとりのある時に
やるしかない。
すぐに検索してヒットした中から
自分にとって都合のいい葬儀社を選びました。
わたしの場合
「自宅付近で 公共交通機関から歩いていける会場」
というのが選ぶ目安です。
というのは
葬儀となれば「参列者の方」がいます。
この方たちは
高齢の両親と同年代の人ばかり。
中には免許を返納した人もいるでしょう。
となれば
公共交通機関から近い会場の方が
都合がいいだろうと思ったのです。
実際 当日になると
公共交通機関で来た
と言う人が何人もみえました。
「自宅から近い」
というのも大切で
葬儀となると
自宅と会場を何度か行ったり来たりします。
後になってわかったことですが
午前中の告別式の場合
朝9時には会場に と
葬儀社の方から説明を受けましたので
自宅近くにしてよかったと思ったものです。
葬儀社を見つけるにあたってのステップは3つ。
最初の「資料請求」ならびに「見積」
その後 届いた資料を見ながら
「電話での内容確認」
最後に「当日の電話連絡」。
あれ?と思う方も
いるかもしれません。
「え? 予約は?」と。
いつになるかわかりませんから
事前予約はできません。
なおかつ
当日会場が空いている とも限りません。
ですから
葬儀会社を選ぶ時
1社につき 希望会場を3か所
会社は 最低2社は候補を見つけておくと
当日慌てずに済むと思います。
わたしがお世話になった葬儀社も
近隣会場がいくつかある
という会社でしたので
資料を見たときに
いくつか希望会場を決めておいたのです。
さいわい第一希望の葬儀社で
第一希望の会場を使えました。
葬儀方法は
「家族葬」にしました。
定義はわかりませんが
今回の説明で受けたのは
「20人以内の参列者」
というものでした。
わたしにとっては十分な人数でしたが
慣習や地域 立場によっては
苦心される方もいるかもしれません。
家族葬の場合
金額もそうですし
内容も簡素なんだと思います。
それでも入院費やなんやらで
あれこれと出費の続いていたわたしたちにとっては
十二分に大きな出費でした。
ですから「見積」の際
当日の追加請求が発生しないか
事前に確認しておくことが重要です。
わたしの場合
事前の資料請求でプランを選定し
電話で内容を確認し
金額も決めたつもりでした。
しかし
実際にはその場で
「湯灌」を追加したことで
予定のプラス10万円ほどかかりました。
湯灌とは
ご遺体を会場内で洗い清める作業です。
入院中 お風呂に入れなかった父のために
どうしてもしてやりたくて
急遽 追加しました。
父の場合
控え室に担当の方が器具類を持参して
簡易の湯船の中にお湯を溜め
そこに父の遺体を運んで丁寧に湯あみさせてくれました。
その後 死装束に着替えさせてもらい
死化粧もしてもらい
お棺に入れてもらいました。
当初予定のなかった湯灌でしたが
「やってよかった」と思っています。
このように
事前にある程度決めておいても
追加費用が発生してしまうこともありますので
そのことも頭に入れておくといいかなと思います。
そしていざフタを開けて見ると
シンプルだけれど
必要十分なお式でした。
母も
「わたしの時もこれがいい」と言っていました。
豪華な祭壇を希望される方には
不向きですが
そういうのはいいわ
という方にはおすすめできます。
本当に身内だけの
ささやかな気安いお式にできましたから。
葬儀社を選ぶ時期というのは
きっと迷うことも
ためらうことも多いだろうと思います。
それでも
落ち着いて話せる内に
ご家族だけの話し合いの場を持って
せめて方向性や会場だけでも決めておかれると
当日の負担はグッと減りますよ。